【 証券外務員 無料講座 ＜投資計算の問題＞】

証券外務員 無料講座 ＜投資計算の問題＞（episode 8-2）

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皆さんこんにちは！
証券外務員講座へようこそ！
講師を担当させて頂きます西川です。　
宜しくお願いします。

それでは本日は前回に引き続き投資計算について解説させて頂きます。

前回は投資計算の、主に計算式の覚え方について解説させて頂いたのですが、 本日は分かりやすいように、問題を出題しながら投資計算について 解説させて頂きます。
それではやっていきましょう！



まずは株価収益率（PER）の問題です。

株価1,000円、当期純利益100億円 発行済株式総数１億株の株価収益率はいくらでしょうか？



はい、どうでしょうか。
株価収益率を求める問題ですので、まずは株価収益率の計算式を 思い出しましょう。

前回の動画で解説させて頂きました「ハイカラなジュリエットさんは キャッシュがお好き」の呪文を思い出して下さい。

そうしましたら、「ハイカラなジュリエットさんはキャッシュがお好き」 の呪文の主要な文字、ハイ、カラ、ジュリエット、さん、キャッシュと 順番に縦に並べまして、それを言い換えます。

ハイは「配当金」、カラは「株価」、ジュリエットは「純利益」、 さんは「純資産」、キャッシュは「キャッシュフロー」に置き換えて下さい。

それから、株価収益率の株価と収益を選んで頂き、収益は純利益に 置き換えて選んで下さい。

次に、その2つの間に横線を引きますと、株価 ÷ 純利益となりまして、 最終的には純利益を1株あたりの当期純利益に置き換えて頂く必要があるのですが、 株価収益率 ＝ 株価 ÷ 1株当たりの当期純利益 という計算式を導きだすことが 出来ます。

本動画ではハイカラジュリエットさんで記載させて頂いていますが、 もう1方の株価 スラッシュ 収益 の方法で覚えて頂くかたちでも、 どちらでも大丈夫です。

計算式を導き出せましたら、その計算式に、問題にある数値をあてはめます。

分子の上側の株価は1000円で、分母の下側の当期純利益は100億円ですので、 100億円を入れますと、 計算式は1株当たりの当期純利益に なっていますので、まずは1株当たりの当期純利益を計算します。

1株当たりの当期純利益は、当期純利益を発行済株式総数で割りますので、 100億円 ÷ 1億株 ＝ 100円になります。

これで1株当たりの当期純利益が出せましたので、株価収益率の 計算式にあてはめますと、 株価 1000円 ÷ 1株当たりの当期純利益 100円 ＝ 10倍となります。

大丈夫でしたでしょうか。
計算式自体は簡単だと思いますので、計算式だけ思い出せるようにして おいて下さい。

それでは今 計算した株価収益率は何を表しているのかといいますと、 まず計算で使用した1株当たりの当期純利益は、当期が決まった期間のことで、 基本的には1年間のことです。

そうなりますと、1株が1年間に出してくれる純利益のこととなっています。

それでは先程の1000円 ÷ 100円 ＝ 10倍につきましては、 1,000円で買った株が、1年あたり100円の配当金をくれるということに なりますので、10年間 株を持ち続ければ、配当金が合計1000円に なりますので、10年で元がとれるかたちになります。

では、1,000円で買った株が1年間で200円の配当金をくれる場合の 株価収益率はいくらになりますでしょうか。

1000円 ÷ 200円 ＝ 5倍ですね。 5倍ということは5年で元がとれるかたちになります。

このように株価収益率は、株価が1株当たり純利益の何倍まで 買われているかを見る投資尺度なのですが、 先程の10倍と5倍のように、 10倍だと株価1000円で配当金100円、5倍だと、株価1000円で配当金200円と、 株価は同じ1000円ですので、配当金がいっぱいもらえる200円の方が いいですよね。

このように株価収益率 PERの値は、低いほうがより魅力的な株であり、 株価は割安と考えられます。

株価収益率の計算式を見てもわかるのですが、分母の下側に 1株当たり当期純利益がきまして、1株当たり当期純利益は、言い換えれば 1年あたりの配当金になりますので、分母の配当金の値は大きくなると、 株価収益率の値は小さくなります。

そのため、配当のいい会社を安く買えることになるので、PERの数値が低いほうが 株価は割安と考えられます。

逆に、利益成長の高い会社ほど、将来の収益拡大の期待が大きくなり、 株価収益率の分子の上側の株価に、その期待値が織り込まれるため、 株価収益率の値は高くなる傾向にあります。



それでは次は、株価純資産倍率（PBR）の問題です。

株価1,000円、総資産100億円、総負債50億円 発行済株式総数１億株の株価純資産倍率はいくらでしょうか？



はい、どうでしょうか。

株価純資産倍率を求める問題ですので、まずは株価純資産倍率の計算式を 思い出しましょう。

株価純資産倍率の計算式は、株価 ÷ 1株あたりの純資産になりますので、 まずは1株あたりの純資産を計算します。

1株あたりの純資産は、純資産を発行済株式総数で割るのですが、 純資産は当たり前のことですが、資産から負債を引いたものになりますので、 総資産100億円から、総負債50億円を引いて、純資産は50億円になります。

その50億円を発行済株式総数の1億株で割ると、1株あたりの純資産は 50円になります。

1株あたりの純資産が計算できましたので、株価純資産倍率の計算式に あてはめますと、株価 1000円 ÷ 1株あたりの純資産 50円 ＝ 20倍になります。

株価純資産倍率も計算自体は簡単ですよね。

それでは、この株価純資産倍率 PBRは何を表す数値なのかといいますと、 先程の株価収益率 PERは、株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているか を見る投資尺度だったのですが、 この株価純資産倍率 PBRは、株価が1株当たりの純資産の何倍まで買われて いるかを見る投資尺度となっていまして、純資産から株価を判断する 数値となっています。

それでは、この純資産は何かといいますと、純資産は会社の資産のうち 株主全体で保有している資産のこととなりまして、 仮に会社が活動をやめて、解散した場合、会社は株主のものになりますので、 持っている会社の資産を株主に分配するのですが、その分配される資産が 純資産であり、そのような性質から、解散価値とも言われています。

そのため仮に、1株あたりの純資産を解散価値に置き換えた場合、 株価を解散価値で割った値が株価純資産倍率であり、 株価が現在の会社の価値で、解散価値が会社の資産となりますので、 会社の資産と現在の株価を比較した数値となっています。

少し言葉だけですと分かりにくいと思いますので、例を出して解説させて 頂くのですが、先程の問題の株価 1000円で、1株あたりの純資産が50円の 場合には、株価純資産倍率は20倍になるのですが、もし株価が1000円で、 1株あたりの純資産も1000円だった場合には、株価純資産倍率は 1000円 ÷ 1000円 ＝ 1倍となりまして、この場合 1株当たりの価格が 1000円で、1株あたりの会社の資産も1000円となりますので、 株価は適正価格と見なされます。

しかしながら、株価純資産倍率が20倍の方は、1株当たりの価格が1000円 なのに、実際の1株あたりの会社の資産は50円分しかないため、 50円の価値が1000円になってしまっているため、株価純資産倍率の値が 大きいほど、株価は割高になっていると判断されます。



それでは次に自己資本利益率（ROE）の問題です。

期首の自己資本が40億円、期末の自己資本が 60億円である会社の当期純利益が10億円の 場合の自己資本利益率（ROE）はいくらでしょうか？



はい、どうでしょうか。

自己資本利益率を求める問題ですので、まずは自己資本利益率の計算式を 思い出しましょう。

自己資本利益率は、当期純利益 ÷ 自己資本（期首・期末平均）×100 で計算できますので、まずは自己資本（期首・期末平均）を求めます。

期首の自己資本 40億円 + 期末の自己資本 60億円 ÷2で50億円になりますので、 当期純利益 10億円 ÷ 自己資本（期首・期末平均） 50億円 ×100で 20％になります。

ここで自己資本利益率はパーセント表記になりますので、×100するのを 忘れないようにして下さい。

それでは、この自己資本利益率 ROEは、何を表す数値なのかといいますと、 株主が出資したお金を元手に、企業がどれだけの利益を上げたのかを 数値化したものでして、企業がどれぐらい効率良くお金を稼いでいるかを 示す指標となっています。

言葉だけですと少し難しいのですが、自己資本利益率の計算式の分母の 自己資本につきましては、会社が保有しているお金になるのですが、 このお金の元は、株主が出資したお金になっています。

そして分子の当期純利益は1年間に会社が稼いだお金となっていまして、 分母の株主が出資したお金で、会社が1年間にどれだけお金を稼いだのか という計算式になっています。

簡単な問題を出題させて頂きながら解説させて頂きますと、 自己資本100億円で、1年間の純利益が1億円の会社と、 自己資本100億円で、1年間の純利益が10億円の会社ですと、 どちらの会社に投資したいですか。

もちろん自己資本100億円で、1年間の純利益が10億円の会社の方ですよね。

同じ100億円のお金を使って1億円稼いでくれるより、10億円稼いで くれる会社の方が、より効率的で、おそらく配当金なども多く見込まれますよね。

このように、自己資本利益率は、株主が出資したお金の自己資本を使って、1年間にどれだけの 利益を上げたのかを数値化したものとなっていまして、 計算式にありますように、1億円 ÷ 100億円 × 100 ＝ 1％と、 10億円 ÷ 100億円 × 100 ＝ 10％と、 自己資本利益率 ROEは高い方が、より魅力的な企業となります。



それでは次に株価キャッシュフロー倍率（PCFR）の問題です。

株価1,000円、当期純利益100億円 減価償却費25億円、発行済株式総数１億株の 株価キャッシュフロー倍率（PCFR）はいくらでしょうか？



はい、どうでしょうか。

株価キャッシュフロー倍率を求める問題ですので、まずは 株価キャッシュフロー倍率の計算式を思い出しましょう。

株価キャッシュフロー倍率は、株価 ÷ 1株あたりのキャッシュフローになるのですが、 前回の動画ではキャッシュフローとは何かについて解説出来ていなかったのですが、 キャッシュフローは、キャッシュがお金で、フローが流れという意味になりまして、 事業を運営するうえで生じるお金の流れとなっています。

このキャッシュフローは、当期純利益 ＋減価償却費にて算出されるのですが、 ここで、もし簿記をされたことがある方は、減価償却費はプラスではなくて、 マイナスにするのでは、と思われた方もいらっしゃるかもしれないのですが、 ここでは一旦 減価償却費は足すとして下さい。

キャッシュフロー ＝ 当期純利益 ＋減価償却費の場合、 株価キャッシュフロー倍率の計算式の、株価 ÷ 1株あたりのキャッシュフローの キャッシュフローのところに、当期純利益 ＋減価償却費を入れ込みますと、 株価キャッシュフロー倍率 ＝ 株価 ÷ 1株あたりの当期純利益 + 1株あたりの原価償却費 という式が導き出せます。

この計算式によく似た計算式があるのですが、それが株価収益率 PERの計算式となって いまして、株価収益率は株価を1株あたりの当期純利益で割っただけの値なのですが、 株価キャッシュフロー倍率は、株価収益率に、1株あたりの原価償却費をプラスした 計算式になっています。

これは何が言いたいかと言いますと、業績がいい会社が大きな利益が出たため、 将来への自社への投資のため、大幅な設備投資を行った場合、純利益から設備投資費 が惹かれますので、純利益が少なくなり、株価収益率 PERは、株価 ÷ 1株あたりの 当期純利益ですので、業績がいい会社なのに、株価収益率の値は悪くなってしまいます。

このように、設備投資は将来の売上を上げるための行為であって、 設備投資を行っている会社は、将来の成長性に期待が持てるのに、 株価収益率 PERの値だけを見てしまうと、そういった業績がよくて、設備投資を 行っている会社を見落としてしまう可能性があるため、設備投資、いわゆる 原価償却費を含めた株価キャッシュフロー倍率 PCFRの値も投資判断には必要 になります。

そのような理由で、株価キャッシュフロー倍率の計算式は使用されているのですが、 問題に戻らせて頂きますと、 まずキャッシュフローは、当期純利益 ＋減価償却費になりますので、 100億円 + 25億円 ＝ 125億円となりまして、1株あたりのキャッシュフローは 発行済株式総数で割った値になりますので、125億円 ÷ 1億株で、125円になります。

これで1株あたりのキャッシュフローが求められましたので、 株価キャッシュフロー倍率の計算式にあてはめますと、 株価 ÷ 1株あたりのキャッシュフローになりますので、 株価の1000円 ÷ 1株あたりのキャッシュフローの125円で8倍となります。

このように、株価キャッシュフロー倍率は減価償却費も含めて株価を判断する指標 なのですが、それでは株価キャッシュフロー倍率は、高い方がいいのでしょうか、 もしくは低い方がいいのでしょうか。

簡単な問題を出題させて頂きまして解説させて頂きますと、 先程の問題ですと、株価 1000円で、1株あたりの当期純利益と原価償却費が125円の場合、 1000円÷125円で8倍になります。

それでは、株価 1000円で、1株あたりの当期純利益と原価償却費が500円の場合ですと、 1000円÷500円で2倍となりまして、分子に利益と設備投資の金額がきますので、 分子が大きくなればなるほど、将来の成長性に期待が持てる会社になりますので、 結果、株価キャッシュフロー倍率は低い値の方がよく、低いほど株価は割安と 判断されます。



最後にEV/EBITDA倍率についても出題させて頂きます。

時価総額が1000億円、短期有価証券を含む 保有現預金が100億円、有利子負債が500億円で EBITDAが200億円の場合のEV/EBITDA倍率はいくらでしょうか？



はい、どうでしょうか。
EV/EBITDA倍率を求める問題ですので、見たままの計算式になりますので、 EV/EBITDA倍率 ＝ EV ÷ EBITDAになります。

EBITDAにつきましては、問題に出題されますので、何も計算する必要はないのですが、 EVは覚えていらっしゃいますでしょうか。

EVは企業価値のことで、 EV = 時価総額 ＋ 有利子負債 – 現預金 – 短期有価証券 になりまして、もし計算式を忘れてしまいそうでしたら、前回の動画のマックカード の例え話の部分をもう一度視聴してみて下さい。

それでは、EVを求めていくのですが、時価総額 1000億円に、有利子負債の500億円を足して、 短期有価証券を含む保有現預金の100億円を引くと、1400億円になります。

これでEVの値が求められましたので、EV/EBITDA倍率の計算式にあてはめまして、 EVの1400億円 ÷ EBITDAの200億円で、答えは7倍になります。

EV/EBITDA倍率は少し難しいので、簡単に理解して頂くだけで大丈夫なのですが、 EV/EBITDA倍率は、企業を買収した場合、何年間で買収したコストを回収できるか ということえを表した指標となっています。


はい、それではお疲れ様でした。
投資計算についての解説は以上になります。

投資計算の計算自体はとても簡単な計算式になりますので、出題パターンを覚えて 確実に点数をとっていくようにして下さい。

また試験にて、PERの数値が低いほうが株価は割安である、などといった問題が 出題されることがあるのですが、計算式は覚えて頂く必要があるのですが、 このような問題を丸暗記するのではなく、 株価収益率 PERは、株価 ÷ 1株あたりの当期純利益 になり、もちろん純利益 が多い会社の方がいい会社になりますので、分子の値が大きくなりますと 株価収益率 PERの値は小さくなりますので、PERの数値が低いほうが株価は割安 ということを、計算式から導き出せますので、計算式だけは覚えて頂きまして、 その他のことは、計算式から考察するようにしてみて下さい。

また、これでインプットが完了しましたので、次の動画はアウトプットで 投資計算の問題を再度出題させて頂きますので、是非 続けてご視聴下さい。

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