【 証券外務員 無料講座 ＜債券相場＞】

証券外務員 無料講座 ＜債券相場＞（episode 13）

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皆さんこんにちは！
証券外務員講座へようこそ！
講師を担当させて頂きます西川です。　
宜しくお願いします。

それでは本日は債券相場について解説させて頂きます。
まず本日のテーマ
変動要因
金利変動
一般景気動向
為替相場
信用力
の5つについて順番に解説させて頂きます。
それではやっていきましょう！



まず変動要因につきまして解説させて頂くのですが、株価が変動するように債権価格も変動しまして、その変動する要因には
金融政策に伴う金利変動
一般景気動向
為替相場
信用力
の4つがあります。



まず金融政策につきましては、episode3の「財政について」で解説させて頂きましたので、復習になるのですが、まず金融政策は、政府の銀行である日銀が行うのですが、急激なインフレやデフレが発生した場合に共産国の一部では、政府が物の値段をいくらまでにしなさいなどと、決められる国もあるのですが、日本は資本主義で市場経済になっていますので、政府は物の値段を勝手に決めることは出来ず、物価の調整を直接行うことは出来ませんので、その代わりに、政府の銀行である日銀を介して間接的に物価の調整を行っています。

日銀が行う市場操作に公開市場操作と、預金準備率操作の2つがありまして、その中でも公開市場操作の方が重要となっています。



公開市場操作はオペレーションとも言われ、買いオペと売りオペの2つがあります。

買いオペと売りオペは有名ですので、知っている方も多いのではないかと思いますが、まず買いオペは、日銀が銀行から国債や手形を買い取ります。

文章ですと少しばかり分かりにくいため、次の絵で説明させて頂きますと、まず日銀が銀行より国債を買い取り、その代金を銀行に支払うことで、銀行にはお金が増えます。

そうしますと、銀行はお金を余らせておくのはもったいないので、安い金利でもいいので、企業などに融資をします。

そのため、市場にはお金が多く供給されることになり、市場の購買意欲が高まり、景気回復や物価上昇などの影響がでます。

このため、買いオペはデフレなどの物価が低下している際の対策として実施されることが多くなっています。



次に反対の売りオペですが、売りオペは買いオペとまったく反対になっていまして、まず日銀が銀行へ国債を売りつけるため、銀行はその代金を支払うことで、銀行にあるお金は減ってしまいます。

銀行はお金が少なくなると、企業などへの融資が減ってしまい、融資が欲しい企業は金利が高くてもお金を借りようとしますので、金利は高くなってしまいます。

また市場にはお金が少なくなりますので、市場の購買意欲は低下し、行き過ぎた景気の抑制や、物価低下などの影響がでます。
そのため、売りオペはインフレなど、物価が高騰しているる際の対策として実施されます。



このように買いオペの場合には金利が低下し、売りオペの場合には金利が増加するのですが、それでは金利は債券価格にどのような影響を与えるでしょうか。

その影響が次のページとなっていまして、まずここで言います金利は銀行にお金を預けた際の金利と考えて下さい。

まず上側の銀行の金利が低下した場合には、銀行の金利 0.1％に対して、債権の金利は1.0％と、債権の金利が高いため、銀行にお金を預けておくよりも債権にした方が利益が多くなりますので、銀行からお金を引き出して、債権を購入する人が増えます。

債権を購入する人が増えますと、債権価格が高くでも買いたいという人が増えますので、おのずと債権価格は上昇します。

そうしますと、仮に債権価格 100円で金利1％と、債権価格 200円で金利1％ですと、どちらの方が利回りがいいでしょうか。
もちろん債券価格が安い100円で金利1％の方が利益は高く、利回りはいいですよね。
そのため、債権価格が上昇してしまうと、反対に利回りは低下します。



次に下側の銀行の金利が増加した場合には、銀行の金利 2.0％に対して、債権の金利は1.0％と、銀行の金利の方が高いため、債権を保有するよりも銀行にお金を預けた方が利益が多くなりますので、債権を売却して銀行にお金を預ける人が増えます。

債権を売却する人が増えますと、安くても売りたいという人が増えますのでおのずと債権価格は下落します。

そうしますと、仮に債権価格 100円で金利1％と、債権価格 50円で金利1％ですと、どちらの方が利回りがいいでしょうか。

もちろん債券価格が安い50円で金利1％の方が利回りはいいため、債権価格が下落しますと、利回りは上昇します。



次に4つの変動要因の一つの一般景気動向について解説させて頂きます。

一般景気動向とは、簡単に言ってしまいますと景気の良しあしとなっていまして、まず景気上昇局面では、企業業績は好調となり、人員募集や設備投資などで企業は資金が必要になります。

そうしますと、銀行などの金融機関からの融資が増え、金利が高くてもお金を借りたいという企業が増えますので、おのずと金利は上昇します。
そうしますと、先程解説させて頂きました、下側の金利上昇局面では債券価格は下落します。



反対に景気後退局面では、企業業績は不調となり、人員募集や設備投資などのお金がかかることは控えますので、銀行などからの融資は減少します。

そうなりますと銀行にお金が余ってしまいまして、銀行はお金を余らせておいてももったいないので、金利が低くても融資したいとなり、金利は低下します。

そうしますと、先程解説させて頂きました、上側の金利低下局面では債券価格は上昇します。



続きまして、4つの変動要因の一つの為替相場ですが、為替相場も債券価格に影響を与える要因となっていまして、まず円安局面では、日本円の価値が下がるため、海外から輸入する価格は上昇してしまいます。

高い商品を輸入するため、物価も上昇し、市場はインフレ状態になります。

インフレになりますと、物価が高いため、お金の需要が増え、よりお金が必要になりますので、銀行などからの融資が増え、金利が高くてもお金を借りたいという企業が増えますので、おのずと金利は上昇し、金利上昇局面では債券価格は下落します。



反対に円高局面では、日本円の価値が上がるため、海外から輸入する価格は下落します。

安い商品を輸入するため、物価は下落し、市場はデフレ状態になります。

デフレになりますと、物価が安いため、お金の需要が減り、お金が必要なくなりますので銀行などからの融資は減り、銀行にはお金が余ってしまい、銀行はお金を余らせておいてももったいないので、金利を低くして融資を行うため、金利は低下し、金利低下局面では債券価格は上昇します。



最後に、4つの変動要因の一つの信用力について解説させて頂くのですが、この信用力とは簡単に言ってしまいますと、少し語弊はあるのですが、破綻するか破綻しないかの安全性と思って下さい。

そのため信用力が高い方が破綻しにくく、信用力が低い方が破綻しやすくなります。

まず債券を発行する発行体には、国や企業などがあるのですが、最も信用力が高いのはどこになるでしょうか。
もちろん国ですよね。

国が破綻する確率と、企業が破綻する確率は、どちらが低いかというと、もちろん国は破綻しにくい、国が最も信用力が高くなりますので、国債が最も信用力の高い債券になります。

そのため国債は安全性は高いのですが、安全性が高いと金利は低くなりますので利回りは低くなり、いわゆるローリスク、ローリターンとなります。

反対に社債は国に比べ破綻の可能性が高くなりますので、お金がかえってこないリスクは増え、リスクが増えると金利を高くしないと債券を買ってもらえないため、金利は高く、利回りも高くなり、こちらがハイリスク、ハイリターンとなります。

この国債と社債の金利差のことをクレジット・スプレットと言いまして、クレジットは債券のことで、スプレットはボーリングなどで聞かれたことがあると思うのですが、ボーリングのピンとピンが広がった状態のことで、国債と社債の利回りの広がり、いわゆる利回り差のこととなっています。



それでは信用力が債券価格にどのような影響を与えるかを見ていきましょう。

まずテレビCMなどで企業の知名度が上がり、信用力が上昇した場合、全く無名の何をしているかも分からない会社の社債を購入するより、トヨタなどの有名企業の信用力が高い企業の社債の方が安全だと思いますよね。

そうなりますと、信用力が高い企業の社債が購入され、購入される社債の金利は低くても購入されますので、信用力が高い企業の社債の金利は低下します。

また社債が購入されますので、社債価格は上昇しますが、金利は低いのに、債権価格は高くなるため、反対に利回りは低下します。

また、この際の社債の金利は低くなり、国債と社債の金利差は少なくなりますので、クレジット・スプレットは縮小します。



反対に、リコールや不祥事などで発行体の信用力が下落した場合、債権価格が低下する可能性があるため、投資家は債券を売却します。

しかしながら、企業は資金が必要なため、資金調達のために債券を発行するのですが、低い金利では購入されないため、高い金利にして債券を発行します。

また社債が売却されますので、社債価格は下落しますが、金利は高いのに、債権価格は低くなるため、反対に利回りは上昇します。

また、この際の社債の金利は高くなり、国債と社債の金利差はより広がりますので、クレジット・スプレットは拡大します。

それではお疲れ様でした。
債券相場についての解説は以上になります。

これでインプットが完了しましたので、次の動画はアウトプットで債券相場の問題を出題させて頂きますので、是非 続けてご視聴下さい。

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