【 証券外務員 無料講座 ＜転換社債型新株予約権付社債＞】

証券外務員 無料講座 ＜転換社債型新株予約権付社債＞（episode 15）

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皆さんこんにちは！
証券外務員講座へようこそ！
講師を担当させて頂きます西川です。　
宜しくお願いします。

それでは本日は転換社債型新株予約権付社債について解説させて頂きます。

私が勉強している時には、この転換社債型新株予約権付社債でつまずいたのですが、出来る限り分かりやすいように、かみ砕いて解説させて頂きますので、諦めないでついてきて下さい。

それでは本日のテーマ
転換社債型新株予約権付社債とは
株式への転換
パリティ価格
乖離率
価格変動要因
の5つについて順番に解説させて頂きます。
それではやっていきましょう！



まず転換社債型新株予約権付社債について解説させて頂くのですが、転換社債型新株予約権付社債は、簡単に言ってしまいますと、ある条件下で株式に変更が出来る社債のこととなっていまして、非常に長い名称のため、理解しやすいように、赤色のスラッシュ部分で区切って考えますと、「転換社債型」と、「新株予約権付」と「社債」の3つに分解できるのですが、まず新株予約権とは、それを発行した発行体に対して、権利を行使することによって、その会社の株式の交付を受けることができる権利のこと、となっていまして、この新株は新株を発行してもいいし、現行ある株式を渡すかたちのどちらでもいいのですが、発行体の株式の受け取りを予約出来る権利となっています。

そのため、「転換社債型」が社債から株式に転換、簡単にいうと変更ですね、株式に変更して受け取る権利が付いた社債という意味になっています。



そして赤字部分の権利という言葉が重要でして、次のページで解説させて頂くのですが、もし例えば、あなたが食べ放題に1回無料で行ける権利を持っていたとした場合、もちろん食べ放題に行ってもいいですし、また胃腸の調子が悪いので、食べ放題に行かないという場合でも 問題はないかたちとなっています。

このように、権利につきましては、権利を行使してもいいし、また行使しないという権利もありまして、この新株予約権という権利を行使する場合には、先程説明させて頂いたように、社債から株式に変更出来ますので、もし株価が高くなった場合には、株価の値上り益、いわゆるキャピタルゲインというのですが、そのキャピタルゲインを狙えるというメリットがあります。

また権利を行使しない場合には、株式へ変更しないため、通常の社債と同様に利子を受取り、償還期限に額面で払い戻しを受けるかたちになります。

このように転換社債型新株予約権付社債は、権利行使出来る期間の株価によって、社債から株式に変更するか、もしくは社債のままで持ち続けるかを決めることが出来る、お得な社債になっています。



次から転換社債型新株予約権付社債は長いので、略して転換社債と呼ばせて頂くのですが、転換社債は、株式に変更することが出来る権利が付いた、いわゆる おまけ付きのお得な社債になるのですが、そのおまけの影響で、通常よりも価格は高くなる傾向にありまして、発行価額は額面の100円が一般的なのですが、額面よりも高いオーバーパー発行される場合もあります。

また利率につきましても同様で、おまけがあることから、利率が低くても購入されるため、一般的な社債に比べ利率は低くなりまして、転換社債によっては利率が0の、いわゆる0クーポンの転換社債もあります。

さらに担保につきましては、通常の社債と同様で、ほとんどの転換社債で完全無担保債となっていますので、もし発行体が破産や倒産した場合には元本は戻ってこない可能性があります。

そのため転換社債は、ある程度、社会的知名度と安全性が高い大企業が発行することが多くなっています。



次に転換社債のメリットとデメリットについて解説させて頂くのですが、まず転換社債のメリットにつきましては、投資家は値上り益、いわゆるキャピタルゲインを狙えることができ、かつもし株価が低い場合でも、債権として金利を受け取ることが出来るため、元本割れのリスクがなくなります。

また発行体からの側面で見た場合には、発行体は利率を低く抑えることが出来るため、少ない金利で資金を調達することが出来ます。

反対にデメリットとしては、あまり詳しくは解説させて頂かないのですが、条項の指定というものもあり、株価がいくら以上になったら株式に変更出来ないなどの指定がある転換社債があったり、また新株が発行されることにより、元々株式を保有していた株主としては、利益が希薄化してしまい、それにより株が売られたりと、株価低下の可能性があります。



次に株式への転換について解説させて頂くのですが、まず転換価額というものがありまして、この転換価額は、転換社債から株式に変更する際の1株あたりの変更価格のことで、あらかじめ発行時に決められている価格となっています。

文章ですと少し分かりにくいため、例題を出して説明させて頂くのですが、額面100万円の転換社債を、転換価額500円で転換した場合の取得株数は？
という問題の場合、まず「額面100万円の転換社債」ということは、株式に変更することが出来る社債を100万円分保有している、ということになります。

次に「転換価額500円で転換した」は、1株あたり500円の価格で社債から株式に変更した、ということになりますので、100万円分の社債を どれだけ株式に変更出来るかと言いますと、計算は簡単でして、100万円分の社債を株式への変更価格の500円で割るだけになりますので、 答えは2000株になります。

計算はとても簡単でして、いちおう、取得株数は、額面価格÷転換価額という計算式もあるのですが、覚えるまでもなく、計算出来ると思いますので、計算式を覚えるのではなく、内容を理解して覚えるようにして下さい。



次にパリティ価格について解説させて頂くのですが、ここから少し分かりにくくなってくるのですが、丁寧に解説させて頂きますので、ついてきて下さい。

まずパリティ価格とは、転換社債を株式に転換したときの価値に着目した転換社債の理論価格のこと、となっていまして、これは転換社債を株式に変更した場合に、その株式の価値を転換社債の価格にした場合、いくらになるのかを示した数値がパリティ価格となっています。



一度聞いただけではよく分からないと思いいますので、次のページで例題を解きながら解説させて頂くのですが、株価の時価（現在の価格）が400円で、転換価格が500円の場合のパリティ価格はいくらか？という問題の場合、まず「株価の時価が400円」と記載されていますので株価は400円となります。

次に「転換価格が500円の場合」と記載がありまして、これは社債から株式に変更する際の価格が500円ということになり、これは言い換えれば社債の価値が500円ということになりますので、この場合 株式に変更する方がお得でしょうか。
もしくは社債のままで持っておく方がお得でしょうか。

もちろん価値の高い社債のままで持っておく方がお得ですよね。
このように、株価の時価と転換価額が分かれば、債権で保有するのか、もしくは株式に変更するのかはすぐに分かるのですが、それを数値化して、どれぐらいの割合になるのかを計算したものがパリティ価格となっています。



パリティ価格は、転換社債を株式に変更した場合に、その株式の価値を転換社債の価格にした場合、いくらになるのかを示した数値ですので、まず分子を株価にして、転換価額、いわゆる社債の価格で割ります。

そうしますと400円÷500円で0.8となり、もし転換社債を株式に変更した場合には、転換社債で持ったままの状態の、80％分の価値しかないよ、ということになるのですが、その0.8に100円をかけるのですが、この100円は社債の額面の100円のこととなっていまして、0.8×100＝80円がパリティ価格となりまして、社債100円の価値に対して、転換社債を株式に変更した場合には、社債100円の価値に対して、80円の価値しかないということを表しています。

もしこの80円が分かりにくい場合には、先程も少し説明させて頂いたのですが、円を％に置き換え、80％と考えて頂いてもいいのですが、 株式に変更したら社債の80％の価値しかないよ、という意味になっています。

株価の時価と転換価額が分かれば判断出来る内容のため、少しまどろっこしいのですが、株式に変更した場合の、債権ベースでの価値を数値的に見るための計算でして、私的にはパリティ価格は特に必要ないと思うのですが、後で解説させて頂きます乖離率の計算で、このパリティ価格が必要になってしまいますので、理解して覚えるようにして下さい。



それでは次に株式に変更した方がお得な場合の例題につきましても出題させて頂きます。

株価の時価が400円で、転換価格が250円の場合のパリティ価格はいくらか？
という問題ですが、株式の時価 400円で、転換価額が250円ということは社債の価値が250円ということですので、400円÷250円に社債の額面の100円をかけますと、パリティ価格は160円になります。

これは社債を株式に変更した場合には、160％分の価値になる、ということになりますので、もちろん株式に変更する方がお得になります。



それでは次に乖離率について解説させて頂くのですが、乖離率は転換社債の時価とパリティー価格が、どの程度離れているかを表す指標 となっていまして、乖離率は、転換社債の時価 – パリティ価格 ÷パリティ価格 ×100で算出できるのですが、よく分からないですよね。



分かりやすいように、先程のパリティ価格の例題を使って説明させて頂くのですが、まず債権のままで保有した方がお得になる、株式の時価が400円で、社債の価値が500円の場合、株式に変更した場合の社債ベースでの価値であるパリティ価格は80円でした。

それでは、転換社債の市場の価値である時価が95円だった場合、先程のパリティ価格は、株式に変更した場合の社債ベースでの価値、いわゆる 無理やり社債ベースに置き換えした理論的な価格になりますので、時価とパリティ価格の理論価格には95円-80円＝15円の値差があるかたちになります。
これは単純に、15円分 社債のままで保有した方がお得ということになります。



それではこの値差の15円が、理論価格 80円に対して、どれぐらいの割合なのかを計算したものが乖離率となっていまして、計算式は15円 ÷ 80円で、率となっていまして、％表記になりますので、×100を行いまして、答えは18.75％となります。




計算式で見ると簡単なのですが、これを言葉に戻しますと、まず先程求めた15円は95円 – 80円から算出されたのですが、これは時価と理論価格との値差となっていまして、計算式としては転換社債の時価 － パリティ価格となっています。

パリティ価格までは、社債の価値は額面の100円で考えていたのですが、実際の市場では、額面よりも安く売買されたり、また反対に額面よりも高く売買されたりと、市況によって転換社債の価格が変動しますので、その時価も踏まえて計算するかたちになっています。

また下側の分母の80円は、株式に変更した場合の理論価格で、パリティ価格のことになります。

そのため計算式は、乖離率 ＝ 転換社債の時価 － パリティ価格 ÷ パリティ価格 ×100という計算式になります。

少し難しいですよね。
もし難しいと感じられる場合には、乖離率の計算式を丸暗記してもいいのですが、もし出来ましたら、乖離率は転換社債を株式に変更した 場合に、時価と理論価格であるパリティ価格がどれぐらい離れているかを計算したものという、本質をとらえて覚えるようにして下さい。



それでは、先程の株式に変更した方がお得な場合の例題についての乖離率についても計算させて頂くのですが、転換社債を株式に変更した場合の理論価格であるパリティ価格が160円で、転換社債の時価が100円だった場合の、時価と理論価格の差は100円-160円で、-60円になります。



乖離率は、時価と理論価格の差が理論価格に対してどれぐらいの割合かを計算したものですので、時価と理論価格の差である-60円 ÷ 理論価格であるパリティ価格の160円に×100で、答えは-37.5％になります。

大丈夫でしょうか。
乖離率の問題は慣れもありまして、次の動画で計算問題も多く出題させて頂きますので、計算問題を解いて、慣れるようにして下さい。



またこの乖離率につきましては、先程の答えは、18.75％と-37.5％とプラスとマイナスの答えになったのですが、まず答えがプラスの方はパリティ価格が80円で、転換社債の時価が95円と、パリティ価格より転換社債の時価の方が価格が高いため、転換社債のままの方がお得になります。

そうしますと、乖離率の計算式では、上側の分子の計算が転換社債の時価 － パリティ価格 という計算式で、転換社債の時価の方が数値が大きい場合には、必ずプラスになり、計算式の答えも必ずプラスになりますので、転換社債のままの方がお得な場合には、乖離率はプラスになり、値がプラスのため、これを順乖離と言います。



反対にパリティ価格が160円で、転換社債の時価が100円の場合、パリティ価格の方が転換社債よりも高くなりまして、株式に転換した方が お得になるのですが、乖離率の計算式では、上側の分子の計算が転換社債の時価 － パリティ価格の計算式で、転換社債の時価よりもパリティ価格の方が大きくなりまして、値はマイナスになり、乖離率の値もマイナスになりますので、これを逆乖離と言います。



最後に転換社債の価格変動要因について解説させて頂きます。

この価格変動要因は、債権の価格変動要因で解説させて頂きました内容とほぼ同じ内容となっていまして、ここでいう金利につきましては 市中金利、いわゆる銀行の金利と考えて下さい。

まず金利が低下しますと、銀行にお金を預けておくよりも、金利の高い社債にした方が利益が多くなりますので、銀行からお金を 引き出して社債を購入する人が増えます。

社債を購入する人が増えますと、価格が高くでも買いたいという人が増えますので、おのずと社債価格は上昇します。

次のスプレッドは以前に解説させて頂きました、国債と債権の利回り差を表すクレジット・スプレッドのこととなっていまして、国債は 最も信用性が高いため、金利は最も低いのですが、社債を購入する人が増えますと、金利は低くても買いたいという人が増えますので、社債の金利は低くなり、国債と社債の金利差は少なくなりますので、クレジット・スプレッドの値は縮小します。

また社債が多く購入される会社は人気がありますので、おのずと株価も上昇しまして、ここで初めて出てくる言葉なのですが、赤字部分の ボラティリティという言葉がありまして、ボラティリティは価格変動の度合いを示す言葉でして、「ボラティリティが大きい」という場合は、その商品の価格変動が大きいことを意味し、株価が上昇する際には元値からの値差が大きくなり、ボラティリティは上昇します。

ちなみに投資家から見た場合、ボラティリティが大きい株の方が、株価が高い特に売れば、より利益を出すことが出来るということで、 ボラティリティが大きい方が好まれる傾向にあります。



それでは反対の金利上昇局面では、まず金利が上昇しますと、社債を購入するより、金利の高い銀行に預けておいた方が利益が多くなりますので、社債を売却して、銀行にお金を預ける人が増えます。

社債を売却する人が増えますと、価格が低くても売りたいという人が増えますので、おのずと社債価格は下落します。

そうしますと、そのように人気のない社債は、金利を高くしなければ社債を購入してもらえないため、金利を高く設定するのですが、金利の低い国債との金利差はより開きますので、クレジット・スプレッドは拡大します。

また社債が多く売りに出される会社は信用度が低く、おのずと株価も下落しまして、株価は上がるどころか下がる一方と、株価の上げ下げに伴う値差であるボラティリティは少なくなりますので、ボラティリティは下落します。


それではお疲れ様でした。
転換社債についての解説は以上になります。

少し難しかったとは思うのですが、これでインプットが完了しましたので、次の動画はアウトプットで転換社債の問題を出題させて頂きますので、 是非 続けてご視聴下さい。

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