【 証券外務員 無料講座 ＜投資信託の処理と種類＞】

証券外務員 無料講座 ＜投資信託の処理と種類＞（episode 19）

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皆さんこんにちは！
証券外務員講座へようこそ！
講師を担当させて頂きます西川です。　
宜しくお願いします。

それでは本日は投資信託の処理と種類について解説させて頂きます。

まず本日のテーマ
投資信託の決算
投資信託の分配
投資信託の換金
上場投資信託（ETF）
公社債投資信託
の5つについて順番に解説させて頂きます。
それではやっていきましょう！



まず投資信託の決算について解説させて頂くのですが、決算と聞くと、会社の決算を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、まさにその通りとなっていまして、投資信託の決算も会社の決算と同じで、資産・負債を計算して、財産内容や財務状況を明らかにすることを決算といいまして、決算日に資産や負債を算定して決算を行ないます。

また会社の決算の場合、年4回という場合が多いのですが、投資信託の場合には、決算回数は投資信託によって異なりまして、毎月決算型ですと年に12回であったり、年に6回、年に4回の決算などもあります。

また復習になるのですが、委託者は目論見書と運用報告書の作成の義務があると解説させて頂いたのですが、その運用報告書につきましては、 この決算内容に基づき、作成されています。

さらに投資信託にもよるのですが、決算時に収益があった場合には、収益等の一部が「分配金」として投資家に還元されることがあります。



続きまして、投資信託の分配について解説させて頂くのですが、その前に投資信託では、個別元本というものがありまして、簡単に言いますと、投資信託を購入したときの基準価額のことでして、この購入した際の基準価額をベースにして、投資信託の分配が行われます。

また投資信託については1回のみ購入という場合もありますが、株式の際に解説させて頂きましたドルコスト平均法など、毎月一定金額ずつ買い付けていくなど、複数回購入する場合が多く、同じ投資信託を複数回購入した場合の基準価額については、受益権口数で加重平均された価格になります。

加重平均と聞きますと、難しく感じるのですが、内容としては簡単でして、例えば、1回目は1口 1,000円で投資信託を購入したのですが、その後 投資信託の基準価額が上がり、2回目は1口 2,000円で購入した場合、合計 2口で3,000円になります。

この場合、1口あたりの価格は3,000円÷2口で、1口 1,500円になります。

当たり前のことですが、これが加重平均となっていまして、内容としては購入後 1口を売却する際に、この1口は2,000円で購入した分なので、売却するときも2,000円で売却する、ということは出来ず、売却価格は1,500円になるということになっています。

当たり前ですよね。
2,000円で買って、2,000円で売ったら、何の利益もなく、手数料だけかかってしまいますので、そうなると誰も投資信託を買わないですよね。



それでは次に投資信託の分配金について解説させて頂くのですが、投資信託の分配金には、普通分配金と元本払戻金（特別分配金）の2種類があります。

まず普通分配金は一般的な配当金なのですが、運用した利益から支払われる分配金のため、投資家は利益となり、所得として課税されます。

もう一方の元本払戻金（特別分配金）につきましては、元本から払い戻しされる分配金になり、元本を取り崩しいる関係で、投資家は利益にはなりませんので、非課税になります。



文章ですと少し分かりにくいため、次のページの絵で説明させて頂くのですが、仮に投資信託を1,000円で購入したとします。
そして決算時に基準価額が1,500円になっていた場合、500円値上りしたことになります。

そして収益の一部の300円を配当として、投資家に分配した場合、1,500円から300円を投資家に支払いますので、投資信託の基準価額は1.500円 – 300円 ＝ 1,200円になります。

このように、配当により基準価額が下がることを、配当落ちと言います。

また分配された300円は、丸まる投資家の利益になり、利益には税金がかけられますので、この300円は課税対象になります。

しかしながら、分配落後の基準価額は1,200円と、購入時の1,000円から200円値上りしているのですが、これはまだお金に変えておらず、投資家は利益を貰っていない状況ですので、課税対象にはならないのですが、もし投資信託を1,200円で売却した場合には、200円の利益が確定しますので、その際の200円には課税されるかたちになります。




この流れが一般的な普通分配金になるのですが、次のページが特殊な特別分配金とも言われる、元本払戻金となっていまして、仮に投資信託を1,000円で購入し、決算時に基準価額が1,200円になっていた場合、200円の値上りになります。

しかし、分配金を300円、投資家に分配した場合、値上りした200円にさらに元本の1,000円を取り崩して、そこから100円を出し、合計300円にして配当します。

そうしますと、分配金は300円なのですが、その内 200円は普通分配金と同じく、投資家の利益になりますので、課税対象になるのですが、残りの100円につきましては、元本を取り崩して支払っており、分配落後の基準価格は900円となり、この100円は、購入時に支払いしたものがそのまま帰ってきただけで、投資家の利益にはなっていませんので、この100円には税金はかからないかたちになります。

このように、100円は元本から払い戻されたお金、ということで元本払戻金と言われたり、通常は利益からしか配当されないのですが、特別に元本から払い出されるため、特別分配金と言われたりします。

これで内容は理解して頂けたと思うのですが、ではなぜ、わざわざこんなにややこしい元本払戻などを行うかと言いますと、詳細は省かせて頂くのですが、追加型投資信託などの場合、多くの人が色々な異なる状況で購入されていまして、仮に分配金を一人300円支払いますとしていても、1年前から投資信託を保有している人と3日前から投資信託を保有している人が同じ300円を受け取るとなるとどうでしょうか。

決算日の数日前に投じられた資金が、短期間で十分な収益をあげるということは考えにくく、やはり不公平ですよね。

また購入価格による差もあるのですが、このようなに、収益の分配については、どうしても不公平が生じてしまいまして、こうした問題を解消するため、元本払戻が使用されています。



次に投資信託の換金について解説させて頂きます。

投資信託を換金する場合、解約と買取りの2種類の方法がありまして、まず解約につきましては、運用会社に信託契約の解除を請求することによって換金する方法でして、もう一方の買取につきましては運用会社に信託財産の買取請求することで、買い取ってもらう方法となっています。

こちらは、2008年12月末までは、解約と買取りでは、税制上の取扱方法に違いがあったため、区分されていたのですが、現在では解約と買取りの両方ともに譲渡所得として取扱われることとなり、税制上の違いはなくなりましたので、どちらでも同じとなっています。

ちなみに証券会社などでは、同じ内容になりますので、現在は買取はなくなり、解約のみとなっています。



また投資信託によっては、クローズド期間というものが設定されている投資信託もありまして、このクローズド期間とは、投資信託の運用を安定化させるためなどの理由で、ファンドの新規設定後の一定期間は原則として解約を禁止するといった場合の解約禁止期間のこととなっています。

近年では、クローズド期間がないファンドも多いですが、ファンドによっては、3ヵ月から1年程度のクローズド期間が設けられている場合があります。

さらに投資信託の換金価格につきましては、投資信託をされたことがない方ですと、少しピンとこないかもしれないのですが、投資信託を換金するときの値段は、換金を申し込んだ時点では決まっていない状態でして、通常、投資信託の換金の受付は午後3時で締め切られ、その値段は、申込当日や翌営業日以降に算出される基準価額がベースになり、その基準価額×口数で換金されます。



続きまして、上場投資信託（ETF）につきまして解説させて頂きます。

上場投資信託は、英語でExchange Traded Fundと言いまして、その頭文字をとってETFと言われています。

上場投資信託も投資信託の一部なのですが、では投資信託と上場投資信託の違いは何かといいますと、証券取引所に上場しているか上場していないかの違いとなっています。

まず一般的な投資信託は、証券取引所に上場していないため、株式のようにリアルタイムでの取引が出来ないかたちになりまして、先程の換金価格でも少し解説させて頂いたのですが、投資信託の基準価額は、1日1回の公表になっていまして、換金の際と同じで購入の際にも基準価額は決まっていないかたちになります。

そのため締め切りの3時までに購入した人は、全員同じ価格で購入するかたちになります。



しかし、上場投資信託につきましては、証券取引所に上場しているため、株式のようにリアルタイムでの取引が可能でして、また株式と同様に、証券会社を通じて証券取引所に買付や売却の注文を行い、指値注文と成行注文のどちらも行うことが可能となっています。

そのため、投資信託の基準価額は1日1回公表で、締め切りまでに購入した人は全員同じ価格になっていたのですが、上場投資信託ETFは、同じ日に購入しても、取引時間によって価格は変動するかたちになります。




最後に公社債投資信託について解説させて頂きます。

復習になるのですが、公社債投資信託は、株式を一切組み入れず、国債や社債など公社債を中心に運用する投資信託と解説させて頂いたのですが、その公社債投資信託には、長期公社債投資信託とMMF、「Money Market Fund」の略と、MRF、「Money Reserve Fund」の略の3つの代表的な公社債投資信託があります。

この3つの公社債投資信託がよく試験に出題されますので、試験に出やすいところをピックアップして解説させて頂くのですが、まず運用商品につきましては、長期公社債投資信託は名前の通り長期公社債を運用しており、MMFとMRFは中短期債や、短期金融商品などを運用しています。



また販売手数料は全て無料なのですが、販売単位につきましては、長期公社債投資信託は1口1円なのですが、1万口からの販売、いわゆる1万円からとなりまして、MMFとMRFは1口1円からと、1円から購入が可能になっています。

次に決算ですが、長期公社債投資信託は、1年に1回の決算ですが、MMFとMRFは毎日決算で、プラスになった分は、月末に自動的に再投資されるかたちになっていまして、イメージとしては、銀行口座をイメージして頂くと分かりやすいと思うのですが、銀行口座も勝手に利息を付けて、その利息を口座に振り込んでくれているのですが、それと全く同じで、MMFとMRFも、月末に自動的に利息を振り込んでくれるかたちになります。

このように、MMFとMRFは銀行口座をイメージして頂くと分かりやすくなっていまして、実際に以前は、証券口座を開設して、お金を証券口座に入金すると、自動的にMRFに投資されていて、利息が毎月付けられていたのですが、現在は行われていないかたちになっています。

次に換金につきましては、長期公社債投資信託は、換金手数料はかかるのですが、いつでも換金可能でして、支払いは4営業日目になります。

MMFとMRFは基本的には換金手数料はかからないのですが、MMFは30日未満の解約の場合のみ換金手数料がかかるのですが、1万口につき10円という、とてもお安い換金手数料になっています。

またMRFは換金手数料はかからず、いつでも換金可能になっていまして、解約の支払いは、MMFは翌営業日で、MRFは午前中の受付の場合は当日、午後での受付の場合は翌営業日になるのですが、MMFとMRFはキャッシング制度がありまして、通常は翌営業日での受渡しなのですが、解約申込当日に受取ることが可能です。

このキャッシングにつきましては、1日分を証券会社が立て替えして先行して支払いしてくれているのですが、1日分を立て替えてるから、その1日分の利息はちょうだいね、ということで、とても安いのですが、1日分の利息、投資信託の場合は分配金というのですが、その利息分を支払って、代わりに1日早くもらう、というイメージになっています。


それではお疲れ様でした。
投資信託の処理と種類についての解説は以上になります。

これでインプットが完了しましたので、次の動画はアウトプットで投資信託の処理と種類の問題を出題させて頂きますので、 是非 続けてご視聴下さい。

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