【 証券外務員 無料講座 ＜財政＞】

証券外務員 無料講座 ＜財政＞（episode 3）

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こんにちは！
証券外務員講座へようこそ！
講師を担当させて頂きます西川です。　
宜しくお願いします。

それでは本日は財政について解説させて頂きます。
まず本日のテーマ
国の財政
予算の種類
政府支出
公債
プライマリーバランス
金融政策
の6つについて順番に解説させて頂きます。




まず、国の財政につきまして、財政の元になる予算から解説させて頂きます。

ニュースなどで、国会で予算が成立したと聞かれたことがあると思うのですが、まず予算の作成は内閣が行い、内閣が国会へ予算を提出します。
内閣といいましたが、実際は予算案の編成は財務大臣が行っています。

国会に提出された予算は、まず衆議院にて審議が行われ、衆議院で可決されると、次に参議院に送られます。
こちらの内容については、中学生の時に授業で勉強した内容となっていますので、ほんのりと覚えていらっしゃる方もいるのではないかと思いますが、簡単には絵のようになっています。



絵では衆議院と参議院がにらみ合っているような構図になっているのですが、もし問題なく参議院でも予算案が可決されましたら、予算は成立となります。

しかし、もし参議院で否決された場合には、両院協議会を開き、両院協議会でも成立しない場合には、衆議院での議決が優先され、予算が成立します。

また参議院が予算案を受け取ってから30日以内に議決しない場合にも、予算は自然成立します。

試験では、この赤字部分の「衆議院の議決が優先」が参議院が優先などと出題されたり、30日以内を60日以内に変えられたりして出題されることがありますので、注意して下さい。



次に予算の種類ですが、予算には一般会計予算と特別会計予算の2つがあります。

まず一般会計予算は、公共事業、社会保障、教育など、一般的なものに使用される予算となっていまして、国や一般行政を進めるための主要な経費をまかなうための会計となっています。

次に特別会計予算ですが、特定の収入、特定の支出を一般会計と切り離して独立して行われる会計のこととなっていまして、特定の事業を行う場合、お金の流れを明確にして管理しやすくする必要があるため、特定事業については一般会計とは別にして会計が行われます。



また先程の一般会計予算は本予算と暫定予算と補正予算の3つに分類されまして、本予算は、一会計年度の年間予算となっているのですが、これは 4月1日から翌年の3月31日までのことでして、年度当初に成立する予算となっていますので、当初予算とも言われています。

次に暫定予算ですが、これは先程の本予算が、何らかの事情により成立しないため作られる予算のことでして、よく「つなぎ予算」とも言われています。
あくまで本予算成立までの仮の予算になりますので、最低限の経費分のみが計上され、本予算が成立した時点で効力が失われます。

最後に補正予算ですが、補正予算は、予算が成立した後で、予算が足りなくなった場合に新たに追加される予算となっていまして、近年ですとコロナ対策費などがあり、予算成立後に突発的に発生した事情のために、後から成立させる予算となっています。

また補正予算が成立しますと、本予算に組み込まれますので、本予算と一体化されます。
試験では、この暫定予算と補正予算を入れ替えて出題されたりしますので、注意して下さい。



次に政府支出に移らせて頂きます。

政府支出で重要な項目は基礎的財政収支対象経費と国債費の2点になるのですが、まず国債費はグラフのは灰色部分となっていまして、過去に発行した国債の元利払いですね、元利払いとは、国債の元金と利息の支払いのことでして、いわゆる国の借金返済のための支出となっています。



次に基礎的財政収支対象経費につきましては、名称はかなり難しいのですが、一般会計から、先程の国債費を除いたものものとなっていまして、グラフの深い水色部分となっています。
そのため簡単に言ってしまいますと、国債費と基礎的財政収支対象経費は、借金と借金以外ということになっています。



またここでの重要なポイントは、最も大きい日本の支出は社会保障関係費で、グラフの黄色部分ですね、次いで国債費であるという部分です。

ちなみに社会保障関係費は、医療や年金、介護などに使われる費用となっていまして、試験では日本の最も大きい支出は国債費である、などと、社会保障関係費と国債費を逆にして出題される場合がありますので、注意して下さい



次に公債について解説させて頂きます。

公債とは、国または地方公共団体が、歳入の不足、言わば収入不足のことで、収入不足を補うために、国民や団体、外国などから借り入れる金銭の債務、または、その証書のこととなっています。

先程 国債費について解説させて頂いたのですが、国の債権が国債で、地方公共団体の債権を地方債といいます。



また国債には建設国債と特例国債と借換国債の3つがありまして、まず建設国債は、財政法に基づき、公共事業などの財源を調達するために発行される債権となっています。

次に特例国債は赤字国債とも言われ、建設国債を発行しても、なお歳入が不足すると見込まれる場合に、公共事業費等以外の歳出に充てる財源を調達することを目的として、特別の法律に基づき発行される債権となっています。

最後の借換国債は、特別会計に関する法律に基づき、普通国債の償還額の一部を借り換えるための資金を調達するために発行される債権となっています。
いわゆる借金を返すための借金ですね。

試験では、特例国債が赤字国債と言われていることから、赤字国債と借換国債を逆にしたり、財政法と特別会計に関する法律を逆にして出題されることがありますので注意して下さい。



次にプライマリーバランスについて解説させて頂きます。

プライマリーバランスは基礎的財政収支とも言われ、財政状態を示す１つの指標となっています。
ちなみにプライマリーは、最も重要なことや、基本のことという意味があり、「バランス」はつりあいや均衡という意味になりますので、国として基礎的で重要な財政のつり合い　という意味になっています。




プライマリーバランスは、歳入総額から国債等の発行、いわゆる借金のことですね、その借金による収入を差し引いた金額と、歳出総額から国債費等などの借金を差し引いた金額のバランスを見たものでして、簡単に言ってしまいますと、国として借金を除いた収入と使ったお金のバランスのことになっています。

近年の日本は、プライマリーバランスがマイナス、いわゆる赤字の状態が続いていまして、政府支出の項目でも解説しましたが、国債費の増加に歯止めがかからない状況になっています。



続きまして金融政策について解説させて頂きます。

金融政策は政府の銀行である日銀が行うのですが、日銀の指名は、日本銀行法では、「我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うこと」および「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資すること」と規定されています。

文章ですと長ったらしくて分かりにくいのですが、簡単に言ってしまいますと、日銀の指名は、物価の安定と、金融システムの安定の2つになっています。

物価の安定は分かると思うのですが、金融システムの安定につきましては、金融システムが正常に機能し、企業や国民が安心してお金を使用出来る状態と規定されていまして、日本円の価値が担保され、かつ、ちゃんと日本円で支払いが出来る状態を維持するということになっています。



また先程の物価の安定につきましては、急激なインフレやデフレが発生した場合に共産国の一部では、政府が物の値段をいくらまでにしなさいなどと、決められる国もあるのですが、日本は資本主義で市場経済になっていますので、政府は物の値段を勝手に決めることは出来ず、物価の調整を直接行うことは出来ませんので、その代わりに、政府の銀行である日銀を介して間接的に物価の調整を行っています。

日銀が行う市場操作に公開市場操作と、預金準備率操作の2つがありまして、その中でも公開市場操作の方が重要となっています。

公開市場操作はオペレーションとも言われ、買いオペと売りオペの2つがあります。



買いオペと売りオペは有名ですので、知っている方も多いのではないかと思いますが、まず買いオペは、日銀が銀行から国債や手形を買い取ります。

文章ですと少しばかり分かりにくいため、次の絵で説明させて頂きますと、はい、まず日銀が銀行より国債を買い取り、その代金を銀行に支払うことで、銀行にはお金が増えます。
そうしますと、銀行はお金を余らせておくのはもったいないので、安い金利でもいいので、企業などに融資をします。

そのため、市場にはお金が多く供給されることになり、皆さんもお財布にお金が多く入ってきたら、ほしかったものを買ったりされるのではないかと思うのですが、市場の購買意欲が高まり、景気回復や物価上昇などの影響がでます。
このため、買いオペはデフレなどの物価が低下している際の対策として実施されることが多くなっています。



次に反対の売りオペですが、売りオペは買いオペとまったく反対になっていまして、まず日銀が銀行へ国債を売りつけるため、銀行はその代金を支払うことで、銀行にあるお金は減ってしまいます。

銀行はお金が少なくなると、企業などへの融資が減ってしまい、融資が欲しい企業は金利が高くてもお金を借りようとしますので、金利は高くなってしまいます。

また市場にはお金が少なくなりますので、市場の購買意欲は低下し、行き過ぎた景気の抑制や、物価低下などの影響がでます。
そのため、売りオペはインフレなど、物価が高騰しているる際の対策として実施されます。

ここまで大丈夫でしょうか。
少し複雑なのですが、重要なのは、国債の売り買いに伴う金利の上げ下げ、デフレとインフレの関係についてなのですが、買いオペは景気回復や物価上昇でデフレ対策、などと丸暗記するのではなく、日銀から順を追って考えていけば、金利の上げ下げや デフレとインフレの関係は覚えなくても導き出せますので、是非内容をしっかりと理解するようにして下さい。

またその際に注意して頂きたいのが、買いオペと売りオペはあくまで日銀が主体となりまして実施する内容となりまして、主語を銀行にしてしまいますと、全く反対の動きになってしまいますので、日銀が主語と、しっかり覚えて下さい。



最後に預金準備率操作ですが、こちらはあまり試験には出ないのですが、内容としては買いオペと売りオペと同じ内容となっていまして、日本では準備預金制度のもとにおいて、金融機関は預金等の一定比率以上の金額を日本銀行に預け入れることが義務付けられています。

これは取り付け騒ぎなど、銀行に万が一のことがあった場合に、支払いが滞るのを回避するために設けられている制度でして、この預金準備率を引き上げたり、引き下げたりすることによって、金融機関の保有する資金量を調整して、市場に影響を与える方法となっています。


はい、それではお疲れ様でした。
「財政」についての解説は以上になります。

これでインプットが完了しましたので、次の動画はアウトプットで「財政」の問題を出題させて頂きますので、是非 続けてご視聴下さい。

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