【 証券外務員 無料講座 ＜企業分析③＞】

証券外務員 無料講座 ＜企業分析③＞（episode 33）

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皆さんこんにちは！
証券外務員講座へようこそ！
講師を担当させて頂きます西川です。　
宜しくお願いします。

それでは本日も引き続き企業分析の③について解説させて頂きます。

まず本日のテーマ
流動比率
当座比率
固定比率
固定長期適合率
負債比率
自己資本比率
の6つについて順番に解説させて頂きます。

それではやっていきましょう！



まず前回の復習なのですが、企業分析には
収益性分析
安全性分析
資本効率性分析
成長性分析
損益分岐点分析
などの分析方法がありまして、前回は収益性分析について解説させて頂いたのですが、本日は2つ目の安全性分析について解説させて頂きます。



安全性分析とは、端的に言ってしまいますと、企業の倒産リスクを評価する 方法となっていまして、株式投資の場合ですと、企業が倒産してしまいますと その株式は紙くず同然になってしまうのですが、投資しても大丈夫な企業か どうかを判断する方法になっています。

その安全性分析には、流動性分析と財務健全性分析という2つの分析方法が あるのですが、名称は難しいので覚えなくても大丈夫なのですが、これは 企業を短期的な視点と長期的な視点で見て、支払い能力がちゃんとあるか どうか、言い換えますと倒産しないかどうかを分析する方法になっています。



まず短期的な支払い能力の分析になります流動性分析につきましては、 流動比率と当座比率という2つの計算式があるのですが、その前に 貸借対照表の復習になるのですが、貸借対照表は以前の動画で解説させて 頂きましたように、一定時点における企業の財政状態を示した書類 のことになっていまして、決算日での企業の資産・負債・純資産の 金額と内訳を示した表のことになっています。



また、その資産・負債・純資産の内の1つ、資産は流動資産と固定資産と 繰延資産の3つに分類されまして、繰延資産は少数なので割愛させて 頂くのですが、まず流動資産は1年以内の短い期間で現金化することが 出来る資産のことで、流動性の高い資産のため、流動資産と言われまして、 反対に1年以上の長期に渡って保有する資産、言い換えれば1年以上 現金化出来ない資産を固定資産といいまして、資産は大きく分けて この流動資産と固定資産に分類されます。



また負債につきましても同じように、流動負債と固定負債の2つが ありまして、流動負債は流動性が高い負債で、1年以内に支払わなくては ならない負債のことで、反対に固定負債は、1年以上の長期に渡って返済 する借入金のことになっています。



そして、貸借対照表に先程の流動資産と固定資産、流動負債と固定負債 を追加させて頂きますと、右側の表になりまして、ここで注意して 頂きたいのが、必ず流動資産と流動負債の流動を上側、固定資産と 固定負債の固定を下側に持ってくるようにして頂きたくて、その理由は 後で説明させて頂くのですが、この右側の貸借対照表を覚えるように して下さい。



これで準備が終わりましたので、それでははず初めの、短期的な 支払い能力の分析になります流動性分析の1つ目、流動比率について 解説させて頂きます。

流動比率は流動資産 ÷ 流動負債 ×100で求められまして、その際の 覚え方としましては、流動比率という名前から流動を使うと覚えまして 図のように貸借対照表の間にスラッシュを入れまして、スラッシュを 入れた右側が下側の分母で、左側が上側の分子になり、 流動資産 ÷ 流動負債となり、流動比率と比率ですので、最後に×100を するのを忘れないようにして下さい。

このようなかたちで覚えますので、先程の流動が必ず上側で、固定が 下側というのが重要になるのですが、それではこの流動比率は何を 表しているかといいますと、企業の短期的な債務の支払能力を表して いまして、短期的な事業の安全性を数値化した指標となっています。



言葉ですと少し分かりにくいため、例を出して説明させて頂くのですが、 まず男性のAさんは、貯金が30万円あるのですが、今月のクレジットカード の支払いが50万円あります。

もう一方の女性のBさんは貯金が100万円あるのですが、今月のクレジット カードの支払いが50万円あります。

皆さんはどちらの方が財務的に健全と思われますでしょうか。 もちろん女性のBさんの方ですね。

男性のAさんは、50万円の支払いがあるのに、30万円の貯金しかないと いうことは、債務不履行となりまして、企業と言いますと不渡りで 倒産一歩手前ですね。

もう一方のBさんは50万円の支払いはありますが、100万円の貯金が ありますので、問題なく支払うことができまして、これを流動比率の 計算式に当てはめて考えてみますと、Aさんは貯金、企業でいう 流動資産が30万円で、クレジットカードの支払い、企業で言う 流動負債が50万円になりますので、30万円÷50万円×100で、流動比率は 60％になります。

同様にBさんは流動資産が100万円で、流動負債が50万円になりますので、 100万円÷50万円×100で、流動比率は200％になります。

この数値からも分かるように、流動比率の計算式は、流動資産 ÷ 流動負債 と資産の方が分子の上側にきますので、資産の数値は大きい方が倒産のリスクは 少なく、また下側の分子は負債になりますので、負債は小さい方が倒産のリスクは 少なくなりまして、短期的な支払い金額の2倍ぐらいは、すぐに支払い出来る 現金に近い資産があった方がいいということで、流動比率は200％以上が 望ましいとされています。



続きまして、短期的な支払い能力の分析になります流動性分析のもう1つ 当座比率について解説させて頂きます。



当座比率は当座資産÷流動負債×100で計算出来るのですが、この当座資産 につきましては、貸借対照表を見て頂きますと分かるように、流動資産の 一部となっていまして、以前の動画の復習になるのですが、流動資産は 当座資産と棚卸資産とその他の3つに分類出来まして、当座資産は 1年以内の短期間に現金化することが出来る流動資産の内で、より現金に 近い資産のことになっていまして、現金や預金、また少し現金化に時間は かかるのですが、手形や売掛金なども当座資産に分類されています。



当座比率は、この当座資産を流動負債で割った数値となっていまして、 先程の流動比率は流動資産を流動負債で割った数値だったのですが、 流動資産は1年以内に現金化出来る資産で、当座資産はより早く現金化 出来る資産になりますので、当座比率は流動比率よりも、より短期的な 事業の支払い能力を示した指標になっています。



そして先程 流動比率の説明の際に解説させて頂きました例が、厳密に 言いますと当座比率の例になりまして、手持ちの現金に対して、どれだけの 支払いがあるかということになり、もちろん支払い金額より貯金が多い方が いいに決まっていますので、当座比率は100％以上が望ましいとされています。



ここまで、企業の短期的な支払能力の分析方法になります流動性分析の2つ 流動比率と当座比率について解説させて頂いたのですが、次は長期的な 支払能力の分析方法になります財務健全性分析について説明させて頂きます。

財務健全性分析には、固定比率、固定長期適合率、負債比率、自己資本比率の 4つの指標があるのですが、それぞれ順番に解説させて頂きます。



まず1つ目の固定比率につきましては、固定資産÷自己資本×100で 計算出来まして、長期的な支払い能力を分析する指標になりますので、 短期的な資産の流動資産ではなく、長期的な資産になります固定資産を 使用しまして、それを返済する必要のない自己資本で割るのですが、 覚え方としましては、先程の流動比率と当座比率と同じように、貸借対照表の 間にスラッシュを入れて、右側が分母の下側で、左側が分子の上側にすると 覚えて下さい。



この固定比率につきましては、固定資産がどの程度 自己資本でまかなわれて いるかを見る尺度になっているのですが、例を出して説明させて頂きますと、 まず男性のAさんは貯金200万円で500万円の車を買いました。

一方、女性のBさんは貯金200万円で150万円の車を購入した場合、どちらの 方が財務上 健全だと思われますでしょうか。

もちろん女性のBさんでして、Bさんは貯金が200万円ありますので、150万円の 車を一括で購入してもいいですし、また不測の事態に備えてローンで購入 してもいいのですが、Aさんの場合、貯金が200万円に対して、500万円の車 ですと、貯金では足りませんので、ローンでしか購入が出来ないかたちになり、 選択肢が少なくなりますのと、もし不測の事態が発生した場合には、対応が 出来なくなってしまう可能性があります。

そのため固定比率は、保有している自己資本に対して、高すぎる資産を保有 するのではなく、相応の資産の方がいいよ、とされていまして、固定比率は 下側の分母が貯金に該当する自己資本になり、自己資本の値は多き方がよいため 固定比率の数値は小さい方がよく、100％以下が望ましいとされています。



続きまして、長期的な支払い能力の分析方法の2つ目、固定長期適合率について 解説させて頂きます。 固定長期適合率の計算式は少し複雑になるのですが、固定資産を、自己資本と 固定負債と非支配株主持分を足したもので割って×100するのですが、 覚え方は、間にスラッシュを入れて、貸借対照表の左側の固定資産は上側の 分子にして、右側の固定負債と自己資本を足したものを下側の分母にして 頂くのですが、この固定負債+自己資本につきましては、計算式は 自己資本+固定負債+非支配株主持分になっているのですが、違いは何になるかと 言いますと、以前の動画の復習になるのですが



貸借対照表の右下は厳密には 純資産と言いまして、純資産は資本金と資本剰余金と利益剰余金と自己株式と 新株予約権と非支配株主持分に分類出来まして、資本金から自己株式までの 4つを自己資本といい、大企業の場合には新株予約権や非支配株主持分もある のですが、ほとんどの会社の場合、新株予約権と非支配株主持分はない場合が 多く、純資産 ≒ 自己資本と言われていると以前に説明させて頂いたのですが、 その非支配株主持分と固定負債を足しているのですが、自己資本+非支配株主持分 につきましては、自己資本と思って頂いて大丈夫でして、そうしますと 固定長期適合率の分母は、自己資本+固定負債となりまして、先程の貸借対照表の 覚え方の計算式になるかたちになっています。



ちなみに先程の固定比率と固定長期適合率の違いにつきましては、分母に 固定負債を足すかどうかの違いになっていまして、この固定負債を足すことの 意味につきましては例を出して説明させて頂くのですが、男性のAさんと女性の Bさんはともに2000万円の家を買ったとします。



まず男性のAさんを先程解説した固定比率の方で計算しますと、固定資産になる 家の2000万円÷自己資本に該当する貯金は500万円になりますので、400％と なりまして、固定比率は100％以下が望ましいとされていたのですが、大幅に 超えてしまっています。

しかしながら、家などの資産を購入する際には、高額すぎるため、貯金でまかなう ことは難しく、ほとんどの方がローンを組まれると思うのですが、企業でも 同じで、固定資産が会社の建物や生産に必要な設備など、高額な資産が多く、 全てを貯金に該当する自己資本でまかなうことは難しく、固定比率の値は どうしても高くなってしまいます。

このように固定比率で考えますと少し厳しすぎるということで、 個人でいうローンなどの長期的な支払いは考慮した方がいいね、ということで 考えられたのが固定長期適合率になっていまして、貯金だけではなく、 ローンも借りられたのであれば、ローンも考慮して計算しますと 固定資産になる家の2000万円÷自己資本に該当する貯金の500万円に、ローン 出来た2000万円、これが長期的な負債になる固定負債になるのですが、それを 足した2500万円で割ると、固定長期適合率は80％となり、固定長期適合率も 固定比率と同様に低い方がよく、100％以下が望ましいとされています。

ちなみにこれは余談ですが、固定比率の方が計算は簡単ですが、やはり 数値的には厳しく、先程の例ですが、家をローンではなく、貯金で購入するのは 少し非現実的になりますので、現実に近い固定長期適合率の方が重視される 傾向にあります。



続きまして、長期的な支払い能力の分析方法の3つ目、負債比率について 解説させて頂きます。 負債比率は負債÷自己資本×100で計算出来まして、覚え方と致しましては 負債比率なので負債を使用するのですが、負債は流動負債と固定負債の両方に なりまして、負債と自己資本の間にスラッシュを入れて頂きまして、上側に なります負債は分子で、下側になります自己資本は分母するのですが、 その際に負債は流動負債と固定負債の両方になりまして、テキストによっては 計算式が流動負債+固定負債÷自己資本になっている計算式もあると思うの ですが、流動負債と固定負債の両方になるところを注意して下さい。



またこの負債比率は、返済する必要のない自己資本に対する、負債の割合を 表した指標になっていまして、例を出して説明させて頂きますと、男性の Aさんは貯金30万円に対して、今月クレジットカードの支払いが60万円ある 場合と、女性のBさんは貯金30万円に対して、今月クレジットカードの支払いが 15万円ある場合でしたら、どちらの方が財務面はいいでしょうか。

この例は流動比率の際にも同じような例で説明させて頂いたのですが、 もちろん貯金内でやりくり出来ている女性のBさんの方が財務面はいいですよね。

このように負債比率は負債÷自己資本になりますので、負債が少ないか、 もしくは自己資本が多い方が財務面はよくなりますので、負債比率は 低い方がよく、100％以下が望ましいとされています。



続きまして、長期的な支払い能力の分析方法の最後の4つ目、自己資本比率に ついて解説させて頂きます。

自己資本比率は自己資本÷総資本×100で計算出来まして、覚え方としては 少し例外的になるのですが、貸借対照表の自己資本の下にスラッシュを 入れて頂き、自己資本をその下にある総資本で割るかたちになるのですが、 自己資本比率は名前の通り、自己資本の割合ということになりまして、 右側の全体になる総資本に対して、返済しなくてもいい自己資本が どれだけあるのかを表した指標になっています。



これも例を出しながら説明させて頂くのですが、まず男性のAさんは貯金が 100万円あり、家のローンが2000万円あった場合、総資本は貸借対照表の 右側全てになり、負債+自己資本になりますので、負債のローン2000万円+ 貯金の自己資本100万円で総資本は2100万円になります。

自己資本比率は貯金の自己資本100万円÷総資本の2100万円×100に なりますので、Aさんの自己資本比率は5％になります。

次に女性のBさんは、貯金が500万円あり、家のローンが2000万円あった場合、 総資本は2000万円+500万円の2500万円になり、自己資本比率は貯金の 自己資本500万円÷総資本の2500万円×100で20％となり、もちろん貯金に 該当する返済が不要の自己資本は多い方がいいので、自己資本比率は 高い方がよく、50％以上が望ましいとされています。


それではお疲れ様でした。
企業分析③についての解説は以上になります。

これでインプットが完了しましたので、次の動画はアウトプットで 企業分析③の問題を出題させて頂きますので、是非 続けてご視聴下さい。

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